奨学生 1月の月次レポートを掲載しました

 かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、毎月月次レポートを作成し、月ごとの研究の進捗状況や日々の様子を報告しています。HPでは毎月、2名のレポートをご紹介します。

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2024年1月)

 

 

お茶の水女子大学大学院・比較社会文化学専攻

博士一年 曹怡(ソウ イ)

 

 1月12日・13日にかめのりフォーラム2024に参加した。初日の午後からかめのり大賞の方々の話を聞き、今まで想像すらできない国際交流活動に対して、グローバルな視野を広げた。一番印象深いのは、YouMe Nepal代表シャラド・ライさんの受賞感想であった。「母国ネパールの子ども達の未来を切り開きたい」という熱意が非常に伝わってきた。山間部で学校を作ることは決して簡単なことではないが、母国への恩返しのため、ネパール社会の厳酷な教育格差を打破するために、学校運営とオンライン教育に力を入れて取り組んでいる勇気と活躍ぶりに大変感心した。教育は、言うまでもなく国の未来のかかる大事なことである。貧困地域にいる多くの子ども達が、自立に思考できるように育むことが、地域の発展にとって大きな一歩になるだろう。自分のことを振り返ってみると、都市部の優れた教育資源を存分利用できたから、進学を順調にでき、かつ、知識に大きな興味を感じ、それを求めるため今博士課程で研究と勉強をしているのである。教育は、子ども達に無限大な可能性を提供するチャンスだと信じている。自分も将来、教育事業に尽力し、多文化共生の理念と知識を共有したいと思っている。そのため、シャラド・ライさんの演説に励まされた気がした。

 その後、第二部夜の懇親会に美味しいグルメを楽しみながら、他の奨学生の仲間達と最近の生活について話しながら、色んな方達とコミュニケーションを取ることができた。夜はオリンピックセンターで泊まった。代々木公園や明治神宮などに近いため、その周辺の空気はとても澄んで新鮮だった。

 

 二日目は、OB・OGの先輩方の経験譚や今年の夏の研究交流会の旅先について話し合いした。香川県や新潟県などたくさんの候補先が出て、九月の旅を楽しみにしている。今回招かれたのは、博士課程を終え、研究者になった先輩二人であった。これからの論文投稿、博士期間中の計画制定、将来の進路など、細かいところまで、様々なことについてアドバイスをもらった。先輩達のように、一人前に論文を撰し、優れた研究者になりたいと思っている。最後に、財団の創設者康本さんの言葉をいただき、有意義な時間を過ごした。経営者として、公益活動などに努力している康本さんのおっしゃった通り、和平のために常に社会に貢献できるように考えないと。かめのりファミリーの一員として、かめのりの理念を貫いて人生を輝かせたい。

 

 また、今月は学内雑誌の投稿を目指しているため、修論の中の一節を新たに加え、論文を執筆している。月の中旬、少し風邪気味になり、今年の東京はいつもより寒いと感じた。体調に気をつけながら、研究を少しずつ進めている。

 

 元日の休日にヨーロッパを旅行した。初めてパリのルーブルやフィレンツェのウフィツィ美術館を参観し、『モナ・リザ』『ヴィーナスの誕生』などの名作を自分の目で鑑賞できるのに感動した。また、ケルン大聖堂、ウィーンのカールス教会など素晴らしい建築に驚嘆した。それらの迫力が、一生忘れられないほど刺激が与えられた。東洋文化に強く惹かれた私にとって、今まで西洋の美術・建築はあまり触れた分野ではないが、今回の旅行を通し、西洋文化の魅力を満喫でき、新しい扉を開いた感覚だった。

 

 来月は中国の春節のため、帰国する予定である。四年ぶりに家族達と一緒に旧暦の大晦日を過ごし、新年を迎えることができる。そのついでに、研究に関わる中国の五山寺院(径山・霊隠・天童・浄慈・育王)をめぐるつもりである。

 

2024年1月28日

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2024年1月)

 

早稲田大学大学院商学研究科 国際貿易と多国籍企業専攻

修士1年 黄沐春(コウ モクション)

 

 

1.研究について

 

 今年の10月ぐらいに教授と一緒に北京大学に行って、交流会に参加します。私の発表内容は修論なので、大体9月ぐらいに論文を完成させなければなりません。非常に貴重な機会と思って、大事にしてこれからちゃんといい論文を書き上げるように頑張りたいと思います。また、修論の内容について、今まで通りにAIという新たな技術の登場はいかに生産力と雇用に影響するかということを明らかにしたいという核は変わりませんが、どの国のどの地域を研究対象にするかについて、今まで色々な検討を行いました。元々は東南アジアでしたが、その後教授のアドバイスによって中国の山東省に変更しました。しかしながら、実際にデータを探してみると、中国の統計年鑑では、細かいデータが含まれていませんし、他のデータソースでも入手しにくいという状況になりました。そこで、もしかしたら日本にするかと今教授とまた相談しています。やはりデータを調べた上で、もう一回研究対象を考える必要があります。

 

 期末試験は今月の上旬でようやく終わって、春休みに入りましたが、休みの時間を生かしてちゃんと研究に集中したいと決めました。

 

2.生活について

 

 12月からバイトを一時中止しましたので、勉強と休憩のバランスをうまく維持することができました。休みの時に、家族とFacetimeをしたり、公園で散歩したりして、よく気分転換をしていました。また、2月15日に帰国して、2週間ぐらい中国に行って、2月の末にまた日本に戻る予定です。

 1月のフォーラムは非常に印象深かったです。同期の奨学生と会って、将来の計画や生活の悩みなど色々な雑談を話す機会ができて、本当によかったと思っています。二日目に、OBと色々を話し合って、研究だけではなく、生活に関するアドバイスももらいました。特に、宜さんが「他の人と比べなくてもいい。自分だけに集中した方がいい」という言葉が私の心の中で響いています。私はよく他人の視線を気にして、時々他人を比較したら、自分の生活がうまく進んでいないと思って、落ち込むことがよくありましたが、宜さんの言葉からパワーをもらいました。