奨学生 9月の月次レポートを掲載しました

 かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、毎月月次レポートを作成し、月ごとの研究の進捗状況や日々の様子を報告しています。HPでは毎月、2名のレポートをご紹介します。

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2024年9月)

 

                    

立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科身体運動科学領域専攻

博士前期課程(M1)

I Wayan Yuuki (イ ワヤン ユウキ)

 

 

1.研究内容について

 

 9月の夏休み期間中、私は主に2つの活動に取り組んでいました。1つ目は、「オイル摂取が認知機能に与える急性および慢性的な影響」に関する学術論文の執筆です。この論文は、10月中に栄養学系の国際学術誌へ投稿することを目指しており、現在、結果の解析、図表の作成、緒言、方法、結果の各セクションは大まか完成しています。今後の課題は、これらの結果に基づいた考察を構築することです。このプロセスでは、スーパーバイザーと対話を進めながら、共同研究者とも議論を深め、論文の精度を高めていく予定です。

 

 2つ目は、「オイル摂取と運動の併用が認知機能に与える影響」に関する研究の遂行です。現在、目標とする18名の被験者のうち、11名(女性1名)の実験が完了しています。残りの被験者のデータ収集を年内に完了させる予定です。この研究は、前述の学術論文の第2章としてまとめる予定であり、第1章の研究結果を背景に、さらに深い議論を展開していく計画です。

 

 さらに、9月上旬には、大学で開催された夏休み集中講義(グローバルレクチャー)にも参加しました。この講義では、スポーツパフォーマンスをテーマに、外国から招かれた専門家(Professor Gareth Wallis PhD, FHEA)によるレクチャーが行われました。特に、私の研究にも関連する「ケトジェニックダイエット」についての講義があり、非常に興味深い内容でした。また、最新の研究成果に基づいたグループディスカッションも行われ、非常に有意義な経験となりました。

 

2.私生活について

 

 恐らく、9月は今年で最も充実した月になったかもしれません。9月上旬に富山で開催された「かめのり財団の夏の研修交流会」では、初めて他大学や異分野の奨学生の方々と長い時間交流し、それぞれの研究内容を聴く機会を得ました。各分野で独自性と創造性にあふれる研究が数多く発表され、非常に興味深く、学びの多い時間でした。また、ミニ講義を通じて、多様な背景を持つ奨学生の先輩方が、それぞれの分野で情熱を持って研究に取り組んでいる姿が強く心に響きました。西田先生のお話では、「成功へのヒントは、①修羅場をどれだけ経験するか、②折り合いをどうつけるか、③人のやらないことをすること」という言葉が胸に響きました。これらを胸に刻み、心の支えにしていきたいと思います。

 

 9月中旬は、神戸で開催された「多文化共生塾2024」に参加する機会がありました。滋賀から神戸までの2時間ほどの通いは大変でしたが、それを上回る素晴らしい学びと出会いがありました。特に驚いたのは、日本の皆さんが外国人が住みやすい街を築こうと、さまざまな取り組みを行っていることです。制度の改革や事業支援、学校の設立など、多様な文化が共生する社会を実現しようとする姿勢に深く感銘を受けました。人種や文化を超えて、互いに理解し合い、楽しく過ごせる社会の美しさを再確認することができ、心が温かくなる思いでした。そして、その温かい気持ちをさらに深めてくれたのは、先輩奨学生との交流です。かめのり財団の一期生である大先輩の姜(カン)さん、現在大学教員をされていらっしゃる楊(ヤン)さんとの出会いは、私にとって非常に貴重な経験となりました。先輩方の経験談や熱意についてお話を伺ったことで、私自身の目指すべき方向性がより明確になり、これからの学びや活動に対する意欲が一層高まりました。かめのり奨学生として、また後輩として、このご縁を大切にしながら、これからも努力を重ねていきたいと思いました。

 

 9月下旬は、これまでの活動に加え、個人で参加できるフットサル(個サル)や企業の被験者体験にも挑戦し、とても充実した夏休みを過ごしました。今月26日からは授業が始まり、研究活動に加えて、リサーチサポーターとして2つの科目のサポートも担当しています。教育活動の経験はまだ浅いですが、今後はさらに力を入れて取り組んでいきたいと考えています。これらの経験を通じて、自分自身の成長と他者への貢献を実感しており、来月はこれまでの成果をさらに積み重ね、より良い結果を目指して取り組んでいきたいと思います。

 

バーミンガム大学のギャレス先生と、最終日の記念写真

 

夏の研修交流会 in Toyama、同部屋のケンさんとの記念写真

 

多文化共生塾 in Kobe、かめのり財団メンバーとのお茶会

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2024年9月)

 

 

 

横浜国立大学大学院環境情報学府自然環境専攻

博士前期課程(M2)

CHEN ZIYAN(チェン ジアン)

 

 

一. 研究研究生活

 

 夏休みがもうすぐ終わりのこの時期に、夏休み中の研究結果を報告したいと思う。

 特に8月中にデータ採取が終わって、9月には虫のソーティング作業をメインとして実施した。ソーティング作業は9月27日に終わり、28日に横浜市中央図書館から原色昆虫図鑑を借りて同定作業に入った。10月末ごろにある博士後期入試に向けて少なくとも半分の虫が同定できれば良いと考えている。同定作業の手法としては、図鑑に描かれている図と現物の虫と比較しながら種を確認するというステップである。今年の頭に買ったオリンパスのデジタルカメラのおかげで、微小サイズの虫までちゃんと写真が撮れていてよかった。


 ソーティング作業からわかった昆虫分布について少し話してみたいと思う。調査地はFエリア(1回草刈りを実施したことがある二次林)とAエリア(放棄林)で構成され、ソーティング作業の感じから、Fエリアは甲虫の出現割合が比較的に多いことが分かった。放棄林において、ダンゴムシがメインに出現している。これはもしかしてノウサギやタヌキなどの野生動物がその場に出現しているからのではないかと考えた。種同定から何かわかることがあったらまた次回で報告したいと思っている。

 

 

 

二. 日常生活

 

 今月も同じように実験室生活をしてきた。夏の研修交流会以外にあまり外出する機会がなかったが、9月22日に前から購入したBLUE NOTE JAZZ FESTIVALに参加した。このコンサートはいくつかのジャズバンドが13時から21時まで1時間間隔で演奏していた。時間の長さにショックを感じたとともに、各バンドの素晴らしい演奏にはまっていて、貴重な思い出にもなっている。元からジャズが好きなので、今回コンサートの参加で多くのバンドを知り、ジャズをもっと楽しめるようになった。面白い発見としては、日本でジャズの好きな方々はお年寄りの方が多いそうである。

 

 それ以外に、9月29日から従妹の結婚式で六日間に一時帰国することになった。修士からの約二年ぶりの帰国にもなっているので、とても楽しみである。