奨学生 3月の月次レポートを掲載しました
2025.04.28
かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、毎月月次レポートを作成し、月ごとの研究の進捗状況や日々の様子を報告しています。HPでは毎月、2名のレポートをご紹介します。
かめのり大学院留学アジア奨学生
月次報告レポート(2025年3月)
立教大学大学院社会学研究科社会学専攻
博士後期課程(D2)
具 弦俊 (グ ヒョンジュン)
1.研究について
2025年3月の研究活動は、主に2月から継続して取り組んできた学会発表の準備と、その後のフィードバックをもとにした研究の再検討、新たな論文執筆のための資料整理という三つの柱に基づいて進められた。特に月初には、事前に準備を重ねてきた学会発表が予定通り実施され、現段階での分析結果と考察を発表した。発表自体は無事に終えることができ、質疑応答では自分では気づかなかった新たな視点や、先行研究との関連性に関するさまざまな指摘を受けることができた。これらのフィードバックは、今後の研究の方向性を修正・洗練させる上で非常に有益であろう。
学会後は、指摘された点を踏まえて分析手法の見直しを行い、必要に応じてデータの処理および再分析を行った。特に、従来は重視していなかった変数を新たに投入することで、これまでとは異なる分析結果を得ることができ、研究の深みが一段と増したように思っている。ただし、その一方で変数の有意性と社会との連関をより深く考察する上では、より精緻な理論的枠組みと、それに基づく解釈が求められており、今後の課題として継続的に取り組んでいく必要があると思っている。
なお、博士論文を提出するための新たな論文の執筆にも着手している。博士論文準備基礎論文は9月までに提出する必要があるため、毎日漸進的に執筆しようとしているが、現段階ではまだ関連の先行研究の耽読を十分にできていないため、序論と先行研究の整理にとどまっている。他にも作成しなければならない論文が山のように積み重なっているため、論文間の優先順位を見極めながら計画的に執筆するなど、スケジュール管理の重要性を改めて実感している。
2.生活について
現在は一時的に韓国へ帰国している。帰国後は家族と再会し、これまでの忙しかった研究生活から少し距離を置いて、心身をリフレッシュする時間を過ごしている。家族との穏やかな時間は自分にとって大きな癒しであり、これまで蓄積された疲れをゆっくりと回復する良い機会となっている。また、長らく受診できていなかった各種健康診断や病院での検査などもこの機会に受けており、自分の健康状態を見直す貴重な期間として活用している。最近では、持病だけでなく、新たな症状も次々と現れており、改めて体調管理の重要性を痛感している。来日する前まで、可能な限り治療を受けて体調を整えておきたいと思っている。
かめのり大学院留学アジア奨学生
月次報告レポート(2025年3月)
大阪大学大学院人文学研究科 言語文化学専攻
博士後期課程
Nguyen Thi Linh (グェン ティ リン)
1.研究状況について
3月には、現在執筆中の論文を同じ専門分野の著名な先生方にお見せし、フィードバックをいただきました。いただいたご意見をもとに、Web of Science、ERIC、ProQuestの3つのデータベースから新たにデータを検索し、すべてのデータを再度スクリーニングおよび分析しました。また、執筆中の論文にある研究方法の章を修正し、各論文(データ)で使用されている方法論や理論枠組みに関する分析も一部修正を加えました。
研究活動は、私にとって忍耐力を養う良い機会でもあると感じました。なぜなら、上記3つのデータベースから約6万件以上の論文を収集することになり、そのタイトルとアブストラクトを一つ一つ読み、初期選別を行うのに約2週間を要したからです。最初の数日は1日に1,000~1,200件程度しか読めず進捗が遅かったのですが、後半にはそのスピードが2倍、時には3倍にまで上がりました。このような繰り返しの作業の中でも、私は一度も気落ちすることはありませんでした。なぜなら、先輩方から精神的に大きな支えをいただいていたからです。
また、3月には大阪大学で開催された第1回グローバル人文学研究交流会にも参加し、修士論文のデータに基づいた研究テーマについてポスター発表をしました。先生方から有益なアドバイスをいただき、修士論文をさらにブラッシュアップするモチベーションにつながりました。
2.生活について
3月はまだ寒さが残っていたため、私は主に自宅で学習と研究に取り組みました。来年度に向けては、2024年に活動していた小学校・中学校・高校での外国人児童支援の一部を中止し、関心のあるいくつかの小学校でのフィールドワークに集中することを決意しました。
生活面では、引き続き農薬を使用しない安全な農産物を購入する習慣を大切にしています。しかし、自宅で過ごす時間が長くなったため、食事の時間がやや不規則になってしまいました。これは自分自身が真剣に改善すべき課題だと感じています。