奨学生 6月の月次レポートを掲載しました

 かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、毎月月次レポートを作成し、月ごとの研究の進捗状況や日々の様子を報告しています。HPでは毎月、2名のレポートをご紹介します。

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2024年6月)

 

 

                    

立教大学大学院社会学研究科社会学専攻

博士後期課程(D2)

具 弦俊 (グ ヒョンジュン)

 

1.研究について

 

 6月には研究会での報告準備を少しずつ進めた1ヶ月だった。投稿論文を準備しなければならない時期であることはよくわかっているが、数ヵ月間ほぼ毎日同じ内容だけを見ていたので、しばらく休んでいく必要性を感じた。研究会での報告は投稿論文のテーマとは異なるテーマで準備しようとしている。自分がよく知らない分野を研究するのに恐れもあるが、このような過程を通じて新しく知ることが多いので、利点がはるかに大きいと思う。また、よく知らないからこそ、ミスしないようにさらに詳しく調べるため、短所もまた長所といえる。最近関心のあるテーマは、主にジェンダー分野で多くの研究が蓄積されている労働市場における男女賃金格差である。現在、投稿論文のテーマが労働市場におけるホスト住民と移民との賃金格差であるため、自然に男女賃金格差に対する研究もよく接することになる。格差を作り出すメカニズムは、両方が共通している点もある反面、異なる点も多数あるため、格差のメカニズムの差異が自分の研究にとってヒントになったりする。だが、まだ多くの論文を調べていないので、これから掘り下げていく過程で多くのヒントが得られると思う。

 

 一方で、投稿論文の準備も全く進展がなかったわけではない。最近では様々な統計的分析手法について勉強した結果、自分の研究に用いられそうな分析手法のいくつかを見つけることができた。まだやったことのない分析手法であり、該当分析モデルに対する勉強もまだ足りない状況なので確信はできないが、現在では十分に肯定的だと思う。だが、まだ自分には統計知識への自信があまりないため、同分析手法に対する理解が完全に間違っている可能性が少しある。そのため、数回にわたって批判的に検討していきたい。

 

2.生活について

 

    6月からは本格的に夏が始まり、学校に行く道がかなり大変だった。まだ湿度が高くないので、日差しが当たらない駅や地下通路はそれほど暑くなかったが、駅まであるいは学校までの道には日陰が全くないため、日差しをそのまま浴びている。まだ30度なのにこんなに暑いと、これからの真夏の暑さがかなり心配である。一方で、6月はアルバイトやその他の外部日程をほとんど減らし、学校での時間を増やしている。そのため、特別なことなき家‐学校‐家といったルーティンが毎日のように続いている。おそらくこうした生活が、博士課程にふさわしいルーティンではないかと思う。

 

 

 

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2024年6月)

 

 

 

大阪大学大学院人文学研究科 言語文化学専攻

                             博士後期課程

Nguyen Thi Linh (グェン ティ リン)

 

1.研究について

 

 私が現在勤務している小学校でのいくつかの体験から、子供を研究協力者にすることはさらに慎重に考えるべき決断であると思うようになりました。私は現在、ベトナム語のサポーターと通訳として、二つの小学校で働いています。外国籍の子供へのサポートの方法は地域ごとに異なります。第一の小学校では、必修科目の授業に子供たちと一緒に参加し、彼/彼女を支援しています。第二の小学校では、日本語補習授業に子供と一緒に参加しています。その日本語補習授業では、私の任務は日本人教師が教える内容を日本語からベトナム語に翻訳することと、同時にベトナムの文化について彼/彼女に紹介することです。この二つの小学校では、子供たちが私をとても好きになってくれたり、私の存在を受け入れなかったりといった経験をしました。

 

 具体的に、第一の小学校には、最近日本で生まれ育ったベトナム人の児童が入学しました。その子の日本語の能力は非常に高く、クラスには幼稚園時代からの友達も多くいます。学校はその子を日本語支援の対象とは見なしておらず、むしろ生活面での支援が必要であると考えています。その子と一緒に授業に参加するたびに、その子は私に対して消極的な態度を示しました。ある日、私が教室に入り、日本人の子供が私に挨拶した時、その子は日本人の子にすぐに「ベトナム人だよ」と言いました。明らかに、その子もベトナム人ですが、この場合、私と対立する立場に自分を位置づけようとしているのです。サポーターとしての人の存在が、その子にとって友達と違うと感じさせ、不快にさせているかもしれません。第二の小学校では、長い間日本にいる子供に関するケースがあります。この子は否定的な態度を示しませんが、私はまだその子と親しく話せる感じがしません。別のケースでは、私を非常に愛しており、私に彼女だけを支援してほしいと思っている子供がいます。しかし、そのクラスにはもう一人ベトナム人の子供がいます。私がその子を支援しようとすると、この子は怒り、私の説明を聞こうとしません。子供たちは感情に支配されやすいため、研究者としての私と彼らとの信頼関係を調整することは大きな課題です。

 

2.生活について

 

 今月は、私は夜10時頃に早く寝て、朝4時頃に起きるように努めています。以前は、通常夜1時や2時に寝ていました。しかし最近、私は若年者の脳卒中に関するニュースをかなり耳にしています。そしてアメリカ心臓協会の研究によると、夜遅く寝ることは脳卒中リスクを2.5倍に増加させる可能性があるため、私は生活習慣を調整することを決意しました。そして、夜10時から朝4時までは胆嚢、肝臓、肺の作業時間とされています。そのため、早く寝ることで体内の毒素をフィルタリングする機能をもつ臓器が保護できるとされています。突然の睡眠時間の変更はすぐに適応するのが難しいかもしれませんが、私はこの習慣を維持しようと努力します。