【報告】にほんご人フォーラム 2024 in フィリピン
2024.03.15
(独)国際交流基金マニラ日本文化センター(JFマニラ)との共催で、2024年1月25日(木)~1月27日(土)に「にほんご人フォーラム 2024 in フィリピン」をフィリピンのボホール島で開催しました。
JFマニラでは、フィリピンの公立高校における第二外国語教育(SPFL: Special Program in Foreign Language)の1 つである日本語教育の支援として、教材の作成や教員研修等を実施しています。その中でも、「にほんご人フォーラム in フィリピン」は2013 年に第1 回を開催して以来、毎年続けて行っています。
このフォーラムでは、日本語を学ぶ生徒たちが日ごろの勉強の成果を発揮したり、新たな知見を得たりしながら、「日本語を使い、何かを達成する」ことを目指す「にほんご人」として交流する機会を提供しています。また教員に対しては、日本語教師間のネットワークを築き、お互いの経験をもとに情報や意見を交換し、研鑽を積む場となっています。
報告:国際交流基金マニラ日本文化センター
日本語専門家 西村 尚
「『フィリピンの心』って何?」「どうやって、フィリピンの心を守る?」これは「にほんご人フォーラム2024 in フィリピン」に参加した教師、学生たちに、私たちが常に問い続けてきたテーマです。
「にほんご人フォーラム2024 in フィリピン」は前回に続き、今回も同じ場所、同じテーマで実施されました。場所はフィリピンのボホール島、テーマは「Let’s Think About Ecology, Tourism, and Regional Promotion! Tana! Discover, Promote, Sustain! フィリピンのこころをまもろう!」です。
今回のフォーラムは、様々な人と触れ合い、「フィリピンの心」を探求する旅となりました。
「フィリピンの心」の旅は、まず応募の段階から始まりました。「心」を発見する最初のステップとして、私たちは応募者に自身の身の回りでエコ活動、エコツーリズムに携わる人々にインタビューを行い、そこから得たことをビデオにして提出するよう課しました。各校2名1組の代表チームから応募があり、その数は35校、70名に上りました。応募ビデオから、フィリピンという国がいかに多様な文化を持ち、多様な自然環境に恵まれているかということを、私たちは教えられました。
その後、2次審査を通過した6校12名の学生と教師が、オンラインで実施されたプレフォーラムを経て、ボホール島での2泊3日の本フォーラムに参加しました。ボホールでは参加者がグループになって、様々な施設や観光地を訪れ、日本語を使ったアクティビティに参加したり、エコ活動・エコツーリズムに携わる様々な立場の人々と会し、インタビューを行ったりしました。最後にグループごとに、インタビューを受けたリソースパーソンの「心」を、ドラマや動画など自由な表現方法で発表し、シェアしました。参加した教師や生徒のみなさんは、リソースパーソンと触れ合うだけでなく、フィリピン全国から集まった仲間との協同作業を通じ、様々な「フィリピンの心」を感じることができたと思います。
しかし「フィリピンの心」の旅はまだ終わりません。学生たちは、続くオンライン開催のポストフォーラムで、自分たちが発見した「フィリピンの心」をどうやって守っていくのか、もう一度自分の地域に立ちかえり、地域のエコ活動・エコツーリズムを実施するアクションプランを発表しました。既にそのアクションプランの実現に向けて、動き出そうとしている学校もあります。
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最後に、参加した皆さんが感じた「フィリピンの心」の一例を紹介しましょう。
「きょう、まなんだことはフィリピンのこころです。フィリピンのこころはかぞくです。」「ボホールの人々は、文化と自然という2つの言葉と結びつきます。彼らは人と人との魂のつながりがフィリピンの心であると考えています。フィリピンの心はフィリピン人です。」「人々、文化、歴史、そして団結」「レジリエンスと団結力に象徴されます。私たちの集団の力、調和、伝統、私たちを取り巻く全ての自然の美しさを育むことです。」
今後、どのような形で「フィリピンの心」を守る活動が芽生えていくのか、とても楽しみです。
【実施概要】
実施期間 | 2024年1月25日(木)~27日(土) |
場所 | ボホール島、フィリピン |
テーマ | “Let’s Think About Ecology, Tourism, and Regional Promotion! Tana! Discover, Promote, Sustain! フィリピンのこころをまもろう!” |
参加者 | ① フィリピン人生徒:6 校12 名(Grade9:4 名、Grade10:8 名) |
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