2023年度 多文化共生地域ネットワーク支援事業 実施報告

かめのり財団では、2022年度より、日本国内での多文化共生に向けた担い手育成とネットワーク形成を目的に、「かめのり多文化共生塾」、「多文化共生の担い手ネットワーク会議」、「事業助成」の3つのプログラムで構成する事業を行っています。

 


 

 現在、国内では外国人の受け入れや共生施策への必要性や機運が高まる一方で、地域における推進の担い手が不足する状況を鑑み、その担い手と、事業を進める組織の育成が急務と考え、2022年度より、多文化共生に向けた担い手育成とネットワーク形成のための研修会およびネットワーク会議を実施しています。

 

 まず、地域の担い手に必要な多文化共生分野の知識と、組織や事業のマネジメントに必要なスキルを学ぶ研修の場として、「かめのり多文化共生塾2023」を2023年10月~2024年1月に愛知、兵庫、岩手の3地域にて行いました。昨年度の佐賀、広島、東京に続き、多文化共生の推進が重要となる地域を選定し、犬山国際交流協会、(特)場とつながりの研究センター、奥州市国際交流協会の協力のもと実施し、計25団体から30名(個人参加3名含む)が参加したこの塾では、多文化共生に向けた施策の動向や各地域での先進的な実践例を学び、各参加者が取り組む課題について調査と企画提案を行うとともに、その提案を参加者同士が採点し合いました。さらに助成審査委員による審査を経て、11の団体と個人が次年度の事業助成対象に選ばれました。

 

 

 2024年2月28日には東京のアルカディア市ヶ谷にて「多文化共生の担い手ネットワーク会議」が開かれ、3地域での塾で提案され選ばれた11件の活動プランが発表されました。各地域での塾の最終日に講師や参加者からもらったフィードバックを活かし、塾修了からネットワーク会議までの約1か月の期間にブラッシュアップされた企画内容は、同日の助成審査委員会にて審査され、11 団体・個人へ の2024年度の事業助成が正式に決定。採択されたのは、就学前児童のサポートや地域の多文化共生図鑑の作成など、各地域でニーズの高い活動であると同時に、他地域でのモデルにもなり得る活動です。

 

 

 会議の後には懇親会が開かれ、3地域から集った参加者間のネットワーキングの機会を提供するとともに、2023年度の事業助成採択者の一人であるNGOダイバーシティとやまの宮田妙子氏より、能登半島地震の発災以降の富山の様子や石川県での支援活動についてお話いただきました。この夜の懇親会は、共通する問題意識や志を持ち草の根で活動する方々が出会い交流する、貴重な場となりました。

 

 

かめのり多文化共生塾2023

地域の担い手に必要な多文化共生分野の知識と、組織や事業のマネジメントに必要なスキルを学ぶ。2023年度は東海・北陸地区(愛知)、近畿地区(兵庫)、北海道・北陸地区(岩手)で開催。

 

開催地(時期順):協力団体(敬称略)

東海・北陸地区(愛知):犬山国際交流協会

近畿地区(兵庫):(特)場とつながりの研究センター

北海道・北陸地区(岩手):奥州市国際交流協会

第1日

解説講義①多文化共生の「これまで」と「これから」

解説講義②地域の実践者からの事例共有

2023年10月31日(火)

2023年11月7日(火)

2023年11月14日(火)

第2日

解説講義③課題の要因・構造を確認するために

解説講義④事業計画の9つの質問

事業計画の発表・フィードバックなど

2023年11月1日(水)

2023年11月8日(水)

2023年11月15日(水)

第3日

インターバル期間に行った課題の報告

事業計画書の作成

2024年1月17日(水)

2024年1月30日(火)

2024年1月23日(火)

第4日

事業計画の発表、フィードバック、ふりかえり など

2024年

1月18日(木)

2024年

1月31日(水)

2024年

1月24日(水)

参加者数

12人(11団体)

9人(8団体)

9人(6団体)

 

多文化共生の担い手ネットワーク会議

2月28日(水) アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)

3地区すべての受講生が参加し、ネットワーク形成を目的とした会議。各地の研修で提出された活動プランから、発表後の審査を経て採択された事業には、2024年度(4月から2025年3月)に助成。当日は3地区から計11件の提案が発表・審査された。

 

事業助成

「多文化共生の担い手ネットワーク会議」での発表者の中から採択された事業への助成。1事業あたり上限50万円、11団体・個人に助成。