奨学生 6月の月次レポートを掲載しました

かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、研究の進捗状況と生活についての報告レポートを毎月提出しています。ウェブサイトには毎月、2名のレポートを掲載します。


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2023年6月)

 

上智大学大学院文学研究科 新聞学専攻

博士後期課程(D1) 麻 俊凡 (マ シュンボン)

 

一、研究について

 6月に入り、春学期もそろそろ終わりとなる。月末には奈良で開催された日本メディア学会の2023年春季大会に参加してきた。今回の学会発表では、「外国人労働者」問題に焦点を当てた研究が登場した。私はその研究に一番興味を持っていた。この研究では、新聞社説に対する言説分析を通じて、日本の外国人労働制度について問題提起していた。私自身もその研究結果に共感した。

 まず、私の研究の対象は映像コンテンツを中心に絞ることにしました。現代の情報社会では、テレビのような公的なメディア以外にも、テレビ局の公式サイトやSNSアカウントなど、様々なフラットフォームで映像コンテンツが公開されています。発信のツールをこだわらずに、これらの情報発信は無視できないと思う。

 また、参考になった研究の方法論として「表象文化論」に関する著作を読む必要がある。映像コンテンツは情報量が多く、どのような視点で研究を進めるかを事前に決める必要がある。現代の表象文化において映像は重要な役割を果たしており、深い分析によって新たな視点を得ることができる可能性が高いと考えている。

 さらに、私は新自由主義の発展がメディア産業に与える影響にも注目する予定だ。新自由主義は経済活動の自由化や競争原理の重視を特徴としている。この考え方がメディア産業にどのような影響を与えているのかを探求することは、メディア研究において重要な課題だ。現在の推測として、再生回数などのアルゴリズム的な要素に重点を置くことで、送り手側が無意識のうちにジャーナリズムを損なっている可能性も考えられる。私はメディアを社会インフラの一部とみなし、新たな基準が必要かもしれないと考えている。

 

二、生活について

 基本的に健康だが、ベッドに着いた瞬間に何度かも熟睡してしまった。コンタクトレンズも外さずに眠り、電気もついたままだった。驚いて「やばい!」と思った。おそらく今月の電気代はかなり増えてしまうだろう。

 端午の節句を迎え、友達と一緒に「ちまき」を作った。みんな初心者のわりには、楽しい時間を過ごした。

 また、知人の紹介で、7月から子ども支援の組織でインターンとして活動することになった。イベントなどのプロジェクトに携わることがあり、さらに忙しくなりそう。でも、とても意義のあるやりがいのある活動だと感じ、ワクワクしている。

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2023年6月)

 

早稲田大学大学院商学研究科 国際貿易と多国籍企業専攻

修士1年 黄沐春(コウ モクション)

 

 ・勉強について

 今月は、アルバイトの時間を大幅に減らし、自分の研究に集中するようになりました。研究については、まだ文献を読んでいる段階に止まっていますが、教授の鞭撻と先輩のアドバイスをいただきながら、自分の研究の方向を模索しています。先進国よりも、南北大陸や東南アジアの途上国を対象として研究を行いたいです。AIの発展がこれらの未熟な国々の生産性や雇用にプラスに作用したのか、それともマイナスに作用したのかを明らかにしたいです。また、AIは新しいトピックではありますが、近年AIについての研究が活発化しています。けれども、文献を読む限りでは、ほぼ画一的な研究になっているという問題点があると思います。そこで、私は先行文献の不足を見つけ、それを解決しながらより良い論文を書き上げたいです。自分の論文は、AIの秘密の氷山の一角を提示したに過ぎないかもしれませんが、それでも大切なことだと思います。

 

・生活について

 6月の中旬に、手帳を購入して、スケジュールを管理することに力を注ぎ始めました。大学時代は手帳をほとんど使わず、すべて頭の中に入れていました。しかしながら、大学院に入ってからは、大学よりもずっと忙しい生活になり、記憶だけですべてのことを覚えていることはできなくなりました。また、谷本さんと面談をした時、自分のスケジュールを管理できないことは、重要なことを妨げるだけでなく、他人にも迷惑をかけると意識しました。社会人になるまであと2年間しかありません。社会人になったら、より多くの責任を負い、多くの物事に直面し、多くの人と接することになります。そこで、生活のバランスをとり、時間をうまく管理する能力を今から磨かなければならないと思います。

 また、6月で一番嬉しかったのは、8月7日に帰国するチケットを買ったことです。これは、2021年に中国から来日して以来、2年ぶりの帰国なので、言葉では言い表せないほど嬉しいです。

 先日、インフルエンザをかかってしまいましたので、この二、三日ずっと家で休憩していました。本当に早く元気を出したいと思います。